最近の話題をわかりやすく掲載しています。
最近マイコプラズマ肺炎(以下M肺炎)が流行してきました。M肺炎は一般に見られる肺炎で、流行期には肺炎の20~30%を占めることがあります。
病原体は、肺炎マイコプラズマです。細菌の一種で、自己増殖する最小の微生物とされ、接触、飛沫感染で感染拡大します。濃厚接触が基本です。
潜伏期間は、2~3週間と長く、症状は発熱、倦怠感、頭痛など一般的な症状に加え、解熱後も咳が比較的長く続くことが多いとされています。
肺炎でも比較的軽度で、walking pneumonia(歩ける肺炎)と言われていますが、時に重症肺炎、髄膜炎、中耳炎、心筋炎などを併発することもあります。
治療は抗生物質ですが、昨今耐性菌(抗生物質が効かない)が問題となっています。長期間持続する咳が認められた時、周囲に同様の症状が多い時などは、医療機関への受診をお勧めします。
心不全は、左心不全と右心不全に大別されます。
左心不全は、左心室から血液が十分に身体に送り出せない状況で、原因としては心筋梗塞、狭心症、弁膜症、心筋症、不整脈、高血圧などが考えられます。
症状は、血液が十分に全身に送られないため、重症では血圧の低下、四肢末端の冷感、尿量減少などが認められます(入院必要)。血液が前方に送られないことから→前方不全と呼びます。
一方、血液が十分に送り出せないため、血液が後方に貯留します。これを交通渋滞に例えれば、車は前に進むことが出来ず、後ろに渋滞が伸びてきますね。
我々の身体では、左心室の後方には左房が、その後ろには肺(肺静脈)があります。この肺静脈に血液が溜まることを肺うっ血と言います。血液が後方にうっ滞することから→後方不全と呼びます。
症状としては、身体を動かした時の息切れ、進行すると、静かにしていても息苦しさを感じ、まっすぐ横になって寝ることが出来ない状態となり、頭を高くし、椅子に座って呼吸(起坐呼吸)することになります。日常的には、この後方不全の頻度が多いです。
さらに体重の増加を伴う場合が多いため、日々の体重測定は大切ですね。
なお、心不全 vol.1、2は、過去の医学ミニ知識でご覧ください。
医師のひとり言;「体を動かした時の息切れなど、必ずしも心不全とは限りませんが、基礎疾患がある人は気をつけていきましょう。早期発見、早期治療が大切です。症状があれば、循環器専門医に相談しましょう」
4回目のコロナ予防接種が始まりました
コロナ予防接種3回目と4回目の接種の効果を比較した報告がイスラエルより
ありました(NEJM 2022 Apr5.)
結果:4回接種終了後8日目以降は 3回目に比べて
感染 発症効果 45〜52%
入院予防 68〜72%
重症化 62〜64%
感染関連死 74〜76%
有効と報告がありました
現在、感染者は減少傾向にありますが、変異株がいつ流行するかもわかりません
一般的には、高齢者、基礎疾患のある方は、接種を受けた方が良いでしょう
医師のひとり言
「基礎疾患はありませんが、高齢でもあり、注射は嫌いですが接種するつもりです 多分」
コロナウイルス(オミクロン株)に対する発症入院予防効果(英国)
2週間から4週間 約65%から75%
5週間から9週間 約55%から70%
★3回目接種後における入院予防効果
2週間以上で88%
18歳以上で2回目接種より6ヶ月以上経過していれば、申請により接種可能です(モデルナワクチン使用)。3回目に初めてモデルナワクチンを接種しても、効果に差は出ないという報告があります。
院長のひとり言
「東京都の感染者は1日1万人を超えました。重症化は少ないと言われていますが、今一度、3密を避ける 日頃の感染対策を確認しましょう。3回目のワクチン接種も有効とされています。
注射が嫌いな私も3回目接種をしました!2回目に比べて微熱、倦怠感がわずかにありましたが、2日で消失しました。」
健康診断などで、脂肪肝と診断されたことはないでしょうか?
脂肪肝はアルコール性、非アルコール性(NAFLD)に大別され、後者は我が国で約2000万人いるとされています。
原因としては、摂取カロリーが多く、肝臓に脂肪が蓄積することで、一部は肝硬変、肝癌の発症要因になります。
その為に、現在の肝臓が線維化(硬くなる)傾向にあるかを知ることが大切です。
方法としては、血液検査、腹部エコー検査などで評価できます。線維化傾向にあれば、MR等の検査に進みます。
また、脂肪肝の状態は、心血管病(脳梗塞、心筋梗塞など)と関連しています。
自覚症状はありません。だからこそ一度検査を受けましょう。
「最近、コロナ自粛で在宅が多く、食べちゃうの!という話を聞きます。現実に体重が増え、検査成績が悪くなった方が多くなっています。
私も自分の腹回りを見て、ため息をついていますがーー!」
我が国でも新型コロナワクチンの接種が始まりました。諸外国ではその効果も報告され、有効性が示されていますが、気になるのは副反応です。
厚生労働省副反応検討部会(3月26日)
*接種後の反応 1回目接種 2回目接種
発熱(37.5℃以上) 3.3% 35.6%
接種部位反応 92.9% 93.0%
発赤 13.9% 16.0%
疼痛 92.3% 91.9%
腫脹 12.5% 16.9%
全身症状 35.7% 73.7%
倦怠感 23.2% 67.3%
頭痛 21.2% 49.0%
約2万人接種後の中間報告です。多くの場合は、1〜2日で軽快、回復します。また副反応のうち、「発熱・全身倦怠感」は高齢者より若い人に発生割合が多い傾向が見られました。
気になるアナフィラキシーの報告は、100万回あたり72件(2021年2月17日〜4月4日)で比較的若年代の女性に多い傾向が報告されました。
院長ひとり言
「注射を受けるのが嫌いな私ですが、接種をしてきました。インフルエンザ予防接種より痛くはありません。翌日の午前中に接種部位の痛みと腫脹を感じましたが、夜には軽快しました」
感染予防は現段階では、まさに3密を避けることが大切です。
予防接種に関して、米国から189万3360回の接種で、4393例の有害事象が報告されました。重篤なアレルギー反応の可能性は21例(11.1例/100万例)であり、その多くがアレルギーの経験者でした。いずれの症例も回復しています。
我が国では、医療機関にはまだ具体案は示されていませんが、行政や医師会などが準備を進めております。
2月下旬から、優先順位に従い接種開始となる予定です。なお、接種を受けるか否かは基本的には、本人の判断となります。よく考えましょう。
院長のひとり言 「注射は嫌いだけど、私は打ちますよ!」
院内感染対策として、オゾン空気清浄機Decleanを導入しました。
Decleanから発生する安全なオゾンエアと光触媒の効果で、ウイルスや菌を抑制し、脱臭することで清潔な院内環境環境を維持します。
当院では、診療後にも高濃度のオゾン発生装置により、徹底的に消毒、ウイルス除染を行い、待合室での感染リスクを低減させる取り組みを開始しました。
コロナ感染症患者が増加傾向(2020年11月時点)にあり、第3波とされています。
根本的な治療法がない現在、「3密の回避」が原則です。今一度、手洗いや消毒を含めて、確認しましょう。これから流行が懸念されているインフルエンザとコロナ感染症の鑑別は、大変難しい状況です。
症状としては、インフルエンザは咳→発熱→発熱と咳、コロナは発熱→咳→発熱と咳の経過を辿るとされています(2020 larsen文献)。
なお、コロナとインフルエンザを同時に検出できるキットが発売されましたが、原則発熱外来などでの対応となります。その他、味覚・嗅覚障害はコロナに多いですね。
当院ではかかりつけ患者さんへの発熱時の対応を別紙お渡ししています。お尋ねください。
インフルエンザなどは 高温、多湿、紫外線量がおおくなると 感染者数が減少すると
いわれています
しかし 今回の新型コロナウイルスは(COVID-19)は 無関係で感染能力は 変化しないとの
報告がありました (European Respiratory.J.4月)
一方、人から人に濃厚接触で感染拡大する新型コロナウイルスに対して
人と人の距離 1m以上離す 82%
フェースマスク使用で 85%
保護眼鏡使用で 78%
感染予防効果があるとの報告がありました(Lancet 2020 6)
有効なワクチンが開発、接種されるまで 今まで通り 密閉空間、密集場所、密接場面
を避けることが大切です。
院長ひとり言 「 大変だけど もう少し がんばろう!」
2018年 平均寿命は男性:81.25歳 女性:87.32歳と過去最高を記録しました。
一方、健康寿命(日常生活が健康上の問題で制限されていない期間)は、男性71歳、女性74歳とされています。言い換えればそれぞれ男性は10年、女性は12年も健康的に不自由な生活を送らなければならないということです。健康寿命の延伸が大切となります。
この健康寿命に大きく関与しているのが生活習慣病の克服ですが、その他 筋力の低下、運動機能低下(ロコモ)が大きく関与しているとされています。
そこで当院では、その克服のために、フレイル、サルコペニア、ロコモティブ外来を始めました。
ご自分の身体の状態を確認して、健康で楽しい生活を送るようにしましょう。
心不全の主な症状は、息切れ、動悸、むくみ、体重の増加などです。
息切れは、初期には動くと息切れをする程度です。例えば今まで100m歩けたのが50mでひと休みなど。さらに悪化すると安静時でも息苦しくなり、横になることが出来ず、座った方が楽になります(起坐呼吸)。脈拍は早くなり、時に不整を認め、動悸を感じます。
むくみは、眼瞼(まぶた)、下肢に出現します。同時にむくみの為に体重が増えてきます。特に心不全が悪化する約1か月前から、徐々に体重が増加してきます。そのため毎日の体重測定が大切です。
その他、疲れやすい、食欲がないなど、多彩な症状があります。
〜院長のひとり言〜
「体重が増えているのですが、心不全ではないかと訊かれます。エーッ、食べ過ぎているのではないの?基本的には、心不全だと食べる量が減ります!心不全での体重増加、健康で食欲旺盛での体重増加、大きな違いですね」
心不全は、左心不全、右心不全に分類されます。それについては次回説明しましょう。
心不全とは 「心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、次第に状態が悪くなり、生命を縮める病気」です。
心臓が悪くなる原因としては 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病、心筋梗塞、弁膜症、不整脈などがあります。一度 心不全状態になると、進行性であり、予後の悪い病気です(本当は病気でなく、その病態を指します)。5年生存率50%以下と言われています。
心不全はステージA,B,C,Dに分類されており、心臓の病気がない状態(ステージA)で、心不全の原因疾患をいかに管理するかです。
心不全状態であるかをみるには、BNP(血液検査)で評価可能です。次回からは心不全の病態を解説していく予定です。
〜院長のひとり言〜
「具合も悪くないのに、治療したくないと思いますよね。でも心不全はとても
恐ろしい病気(病態)です。…と言っても、お酒がやめられない私です」
高血圧治療ガイドラインが2019年に改訂されました。
高血圧治療の基本はやはり、生活習慣の修正です。
*食塩制限 6g/日未満が目標です。
現在 男性10.8g 女性 9g
一日の食塩摂取量を正確に評価することは、煩雑ですが、尿検査で推測できます。
特に高齢者、腎機能低下、メタボの人は、食塩感受性高血圧とされ、減塩が有効です。また、食事中のカリウム摂取が大切とされています。
一度、食塩量、カリウムを測定し、生活習慣を見直してみましょう。
〜院長のひとり言〜
「漬物、みそ汁、しょうゆ、ラーメンのスープ、塩味は美味しいですよね」
1日も休むことなく働き続ける心臓のことを考えてみましょう。心臓はポンプに例えられ、1分間に約5リットルの血液を全身に供給(動脈血)し、同じ量をくみ取っています(静脈血)。なんとペットボトル(500ml)で約15,000本にのぼります。
こんな働き者でも、時には具合が悪くなります(ポンプ失調)。その原因は、加齢・高血圧・糖尿病・脂質(コレステロール、中性脂肪など)・喫煙などで、その結果 心不全という状態になります。
心不全とは、進行性で決して完全に治ることはない病態とされています。一度調べてみてはいかがでしょうか。
「心臓は本当に働き者です。必要な時には命令されることもなく脈を増やして対応してくれます。うれしい時、悲しい時にも臨機応変に働いてくれます。
私はこの心臓という臓物が愛おしく、大好きです。心臓の専門医となったことを誇りに思っています。一度胸に手を当てて、その鼓動を感じてあげてください。」
心臓は働きものです。ひとときも休むことなく働き続けています。
1回に約60ml、1日6000L、ビール大瓶1万本の血液を全身に送り出しています。凄いでしょう!
高齢社会となり、「心房細動」という不整脈が、脳梗塞の原因として問題になっています。この脳梗塞が非常に重篤で寝たきりになることが多いと言われています。
心房細動は、動悸・息切れとして自覚されることが多いのですが、全く自覚症状が無い例が10〜20%あるとされています。
自覚症状があれば、我々循環器専門医に受診すれば良いのですが、自覚症状が無い場合が問題です。
その解決策の一つが、自分で脈を取ることですが、こればなかなか難しいのが現実です。
そこで提案です!
「たまにはお相手の胸に耳を当てて、心臓の鼓動を感じてはいかがでしょう」
今さら何をと言われるでしょうが、不幸にも寝たきりになった方の介護は本当に大変ですよ。
胸の鼓動が一定でなければ、ぜひご相談ください。
院長談「私には出来ません!でも私は自分で分かりますから」
2017年6月に、動脈硬化性疾患予防ガイドラインが公表されました。
動脈硬化による病気としては、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血などが知られており、日本人の死亡原因の約24%にも及び、悪性腫瘍による死亡に匹敵するとされています。
ガイドラインは5年に一度、最新の内外のデータをもとに、専門医が診断の基準・治療指針を示すものです。
今回は、得られた血液データから、10年以内の冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症など)の発症確率が分かるようになりました。
一度、ご自分のデータで算出してみましょう。
診断基準は、今回は改訂されず、現状通りです。
LDL-C(悪玉)140mg以上、HDL-C(善玉)40mg以下
中性脂肪 150mg以上
Non-HDL-C(TC−HDL‐Cの値) 170mg以上
〜院長のひとり言〜
「コレステロールは高い方が良いとの報道が時折ありますが、日本の専門医の考え方は、上記の通りです」
喫煙が健康に悪影響を及ぼすことはよく知られています。
タバコは、末梢気道(最終の細い気管支)の狭窄とガス交換(酸素を取り入れ、炭酸ガスを出す)する肺胞の破壊を来します。
典型症状は、息切れ、特に身体を動かした時に出現しますが、この時には、かなり症状が進行している事が多いと言われています。
初期の症状は、咳・喀痰です。喫煙者あるいは喫煙経験者は、ぜひ呼吸機能の検査を受けましょう。早期発見、早期治療がやはり大切です。
COPDは、肺がん、心臓病、認知症、骨粗鬆症などの併発症が多いとされています。
COPD関連の問診、呼吸機能検査、胸部レントゲン、胸部CTなどで診断できます。
喫煙者、喫煙経験者の方は、ご相談ください。
〜院長のひとり言〜
「タバコはやめましょう!自分のためにも、家族のためにも、他人のためにも」
「尿酸が高い!」健康診断で指摘されたことはありませんか?
尿酸→痛風と考えていませんか?尿酸が高くなると、痛風発作は勿論のこと、血圧上昇、血管障害、腎臓障害を起こし、脳梗塞、心筋梗塞などを発症する可能性が高くなると言われています。
殊に、無症候性(症状のない)高尿酸血症が問題です。自覚症状がないため、知らないうちに、血圧の上昇、腎機能の低下を来すことがあります。
最近は、メタボと尿酸の関係も注目されています。
男性、女性:7.0mg/dl以下が基準値ですが、女性は6.0mg/dlとしているところもあります。
一方、尿酸は、中枢神経系疾患、がん発症を予防する作用もあり、生命維持には欠かせない物質でもあります。次回は、尿酸を下げるにはどんな方法があるか考えてみましょう。
熊本県地震被災者の方に「エコノミークラス症候群」が多発しています。エコノミークラス症候群は、深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症とも言われています。足の深いところの静脈に血栓(血の塊)ができ、これが肺に詰まる病気です。
症状は、静脈の詰まりにより血行障害がおこり、足が腫れます。また、肺に血栓が詰まることで、息切れ、血痰、胸痛が起こりますが、全く無症状の事もあります。
原因は、長時間のフライト、観劇など、足を動かさず、膝を曲げ、同じ姿勢でいることが主因となります。
高齢者、女性ホルモン服用者、手術歴のある方に多発する傾向があります。
予防は出来るだけ、かかと、つま先の上げ下げ、ふくらはぎを動かすことが大切です。
〜院長のひとり言〜
「シートベルト着用のサインが出ている時は、歩き回ってはいけませんよ!」
アスピリンが消化管がんリスクを低下させることが、米国の有名な医学雑誌に報告されました(JAMA Oncol 2016)。
以前よりアスピリンが大腸がんの発症リスクを軽減することが報告されていましたが、今回米国で男女13万6000人を対象に調査した結果、定期的にアスピリンを服用した人たちに、消化器がんの発症が15%低下し、その中でも大腸がんリスク低下は、19%と大きなものでした。また女性では、胃・食道がんの低下が、29%低下していました。
アスピリンは、発熱、頭痛などのかぜ症状に用いられますが、脳梗塞、心筋梗塞の二次予防(再発を予防)に使用されています。ただし一方で、胃炎、胃潰瘍などの発症リスクもあることから、注意を必要とします。(Medical Tribune Vol49.No11 2016)
「フレイル」と「サルコペニア」は、最近よく見かける言葉です。
前者は、加齢に伴って身体・精神活動などが低下している状態を、後者は、筋肉量・筋力が低下していることを表しています。
昔は老衰、虚弱などと表現されてきました。「フレイル」は、体重減少、歩行速度の減少、握力の低下、認知機能低下、積極性の低下などで一般的に診断されます。
ただし、いずれも運動療法、食事療法、口腔機能訓練などで、その状態を改善できる余地が残されています。「健康寿命」を「平均寿命」に近づけるためのキーワードです。
〜院長のひとり言〜
「2025年には、我々団塊の世代が後期高齢者となります。その数2000万人。
介護保険のお世話にならないためにも、フレイル・サルコペニアを意識して生活するのが望ましいですね。頑張ろう!
でも仕事が終わり、アルコールを飲みながら満腹になるまで食事をして、ゴロリ!これ最高!現実は難しいですね」
我が国の死亡原因第3位は肺炎です。また、肺炎による死亡の97%は、65歳以上の高齢者です。そのため昨年から高齢者に肺炎予防接種の定期接種化が始まりました(ニューモバックス)。
肺炎の予防接種には①ニューモバックス ②プレベナー13の2種類があります。
この2種類を接種することで、肺炎の多くが予防できることが証明されました(CAPITA試験)。
ただ、接種間隔が重要です。可能であれば、プレベナー13を先に接種し、6ヶ月〜12ヶ月後にニューモバックス。既にニューモバックスを接種済みであれば、1年以上経過してから、プレベナー13を接種することが推奨されています。
糖尿病は、動脈硬化と関連して、脳梗塞、心筋梗塞、下肢壊疽、腎不全、網膜症など重大な
合併症を起こす危険があります。
一方、悪性腫瘍(がん)とも関連が強いことが報告されました(糖尿病学会誌)。糖尿病の
人は、1.2倍がんになりやすく、肝臓がん、膵臓がん、大腸がんが多いとされています。
女性は、それに加えて、子宮内膜がんが高頻度でした。
糖尿病とがんの発生は、共通の因子が多く、肥満、運動不足、飲酒、野菜摂取不足などが
挙げられています。糖尿病を管理するとともに、年一回のがん検診を受けましょう。
スタチン(コレステロールの薬)が、食道がんの発症に予防的に働くことが、英国のグループから報告されました。
英国の一般診療研究データから、コレステロールの上昇を抑える薬(スタチン)を常用した群は、服用しない群に比べ、食道がんの発症を約49%減少させることが報告されました。
以前からアスピリンの服用群に、大腸がんが少ないとの報告もあり、薬剤の多面的な効果が期待されます。一方、薬剤には副作用もあります。注意しながら使用しましょう。
不整脈の中で、出現頻度の高いものに、心房細動があります。
心房細動は脳梗塞と密接な関係があり、心原性脳梗塞と呼ばれ、重症度の高い後遺症を残す可能性があります。
心房細動の発症頻度は年々増加し、現在我が国では80万人、近い将来100万人を超すとされ、それに伴い重症な脳梗塞が増加しています。
心房細動は脈の乱れを自覚し、動悸・息切れ・胸の不快感等の症状が見られます。殊に、心不全、高血圧、高齢者、糖尿病、脳卒中既往などの方は注意を必要とします。
治療としては、血が固まらない薬(抗凝固薬)があり、明らかな効果を認めますが、服薬条件もありますので、循環器専門医にご相談ください。
〜院長のひとり言〜
「予防が大切です。不整脈を自覚したら、是非一度ご相談ください」
いびきが凄い、睡眠時に呼吸が止まる、朝ノドが渇く、日中眠気がある、集中力、持続力が減少したなどが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主症状とされています。
SASは、高血圧(健常人の2倍)、心筋梗塞(4倍)、脳卒中(4倍)、糖尿病、など、生活習慣病と密接な関連があります。
また自律神経障害を起こし、日常生活の質を低下させることもあります。一方、睡眠が十分でないため、居眠りによる交通事故が、健常者の7倍も多いと言われています。
検査方法としては、睡眠ポリグラフィーがあり、入院せずに自宅で検査可能です(保険適応:3割負担2700円、1割負担900円)。
予約にて検査を実施しています。症状のある方は、ご相談ください。
最近、禁煙について耳にすることが多いと思います。当クリニックでも禁煙外来を行っていますが、なかなか踏み切れずにいる人も多いはず。
では、禁煙するとどんな効果があるのでしょう。アメリカで次のような研究結果が報告されています。
アイルランドの18歳〜80歳の高血圧症(未治療)の人を対象に、喫煙者/非喫煙者/元喫煙者に分けて、動脈硬化の指標を追跡しました。
すると、禁煙を1年以上続けると動脈硬化は改善され始め、10年続けると動脈硬化の指標は、臨床上問題にならない程度まで回復することが判明したのです。
この研究は、動脈硬化は改善可能であるということを示しています。
喫煙は動脈硬化以外にも、様々な弊害をもたらします。改めてタバコを吸わないことの重要性を考えてみましょう。
やはり禁煙は有効です。今こそ禁煙にトライしてみませんか!
「タバコを吸っている皆さん、今からでも遅くはないということです。今がチャンスですよ!一緒にがんばりましょう」
骨粗鬆症は、骨が弱くなり、骨折の危険が高まり、歩行困難など日常生活に支障を来たす疾病です。
寝たきりの原因の第3位が骨折です。
原因としては、骨量減少と骨質の変化が考えられます。
我が国では、50歳以上の女性24%、男性5%に認められます。
分類として、
①閉経後骨粗鬆症:閉経に伴う女性ホルモンの急激な減少による変化
②男性骨粗鬆症:加齢に伴う変化
また、副甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍の骨転移などで、骨量の低下があります。
日常生活としては、食塩過剰摂取、極端な食事制限(ダイエット)、喫煙、日照不足、過度のアルコール摂取(ビール中瓶1本、日本酒1合、焼酎110ml、ウィスキーダブル1杯、ワイン180ml)、カルシウム不足、ビタミンD・K不足などがあります。
骨粗鬆症の診断方法として、レントゲン検査(腰椎レントゲン―骨の変化、前腕骨レントゲン―骨量測定)、および血液・尿検査で診断が可能です。
当クリニックでは、2重エネルギー骨X線吸収測定装置を導入しています。
我が国の認知症患者数は、増加の一途をたどり、2010年の推定で210万人、25年後には450万人になると予想されています。
認知症といっても、さまざまな病態がありますが、基本的には記憶力の低下です。簡単にいえば、もの忘れです。
自分が認知症か、その前の状態(MCIといいます)か、あるいは年齢相応か?などと不安になりますね。
これから一緒に「認知症」の勉強をしていきませんか。
まずは試してみてください!
①1分間にいくつ動物の名前を言えるか?
②1分間に「か」で始まる単語をいくつ言えるか?
次回の受診時にお知らせください。それぞれいくつ言えたかを!
〜院長のひとり言〜
「認知症の勉強をしていると、自分のことがだんだん不安になってきます。これから一緒に勉強していきましょう。」
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